出涸らしは私も飲みますよ?

巫女三日会わざれば刮目して見よ
Coolier -クーリエ-
東方創想話、作品集その55
「お願い早苗! 優しかったあの頃に……ッ!」――八坂神奈子


いわゆる霊夢の貧乏ネタ*1。
幻想郷に来て間もない東風谷早苗は、幻想郷の巫女としての在り方を学ぶべく博麗神社に泊まり込むことに。
だが、そこには(なんだかんだで)現代っ子の早苗には想像もつかない世界が待っていたのだった、というお話。
もはや手垢が付きまくっていて食傷気味の題材であり、料理しつくされた感があるネタではある。
だが、それをうまく調理してこそ料理人というか、すでに別ネタの域にまで昇華された内容は見事の一言。真面目な話をしているはずなのに笑えてしまうのは、やはり霊夢の貧乏っぷりが大きいだろう。
何より霊夢の清廉さが前面に押し出されているので、どこか温かい気持ちになれること請け合いである。
読んだ後に博麗神社にお賽銭を入れたくなった。
あと、黒白の神様と元盗人がいい味出しすぎて困るw ありがてえありがてえ。

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*1 妖怪の溜まり場になっている博麗神社に参拝客など来るはずもなく、ならば霊夢は極貧のはず、という二次設定。実際は博麗神社に賽銭こそあまり無いものの、蓄えは十二分にあるらしい。とはいえ、賽銭がないことに変わりはなく、今では半公式の設定になっている。
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