愛だ、愛を感じる。

時には昔の話を その1〜その5
Coolier -クーリエ- http://www5d.biglobe.ne.jp/~coolier2/
東方創想話、作品集59〜62
「でも、今は違うと思ってるよ。いいか霊夢弾幕は全てを吹き飛ばすパワーでもなけりゃ、氷のような冷たい計算で相手を追い詰めるブレインでもないんだ」
「じゃあなによ?」
「ハート。弾幕は、全てを包み込むハートなのさ」
「つまり?」
「愛だよ」*1 ――霧雨魔理沙博麗霊夢


 幻想郷は千差万別、人の数だけ幻想郷は存在する。*2 まあようするに独自設定たっぷりの幻想郷SSなわけですよ。
 ちなみに作者様は個人的にタイトルに定評のある*3 aho様。
 ある日、目を覚ました霊夢は自分が青空の下に放り出されていることに気づく。とりあえず彼女は神社へ戻ろうとするのだが、そこで知った事実はなんとこの幻想郷は霊夢がいた時から一万二千年経っているというのだ。というトンデモない(褒めてます)冒頭から話は始まる。
 幻想郷は遠からず破綻する、とかスペルカードルールには欠点がある、などの幻想郷にどこか否定的な設定は一切なく、幻想郷に対する凄まじいまでの愛が感じられる。だって幻想郷が広がりに広がって幻想星になってるんですもん。『霊夢』と『慧音』が世襲制の名前になっていたり、聞いたこともない宇宙人が普通に暮らしていたり、幻想郷はまだまだ健在ですな。
 なにより、いくつも張り巡らされていた伏線が終盤に近付くにつれ一本に纏まっていく様は見事の一言。
 霊夢が所詮お遊びだと思っているスペルカードルールを、どうして他の皆はこうも大事にしているのかが分かった時は思わずうるっときてしまった

 設定が他と大分違っているが、そこが気にならないならぜひ読んでほしい。東方世界が好きな人なら、きっと暖かな気持ちになれるであろうから。

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*1 他にも掲載したいセリフがいっぱいあって本当に困った。霊夢が318代目霊夢に出会った時の、
(さ、桜が……! 彼女の背後に、美しく舞い散る桜の花びらが見える! 今は夏のはずなのに……! なんという圧倒的なカリスマ……!)
 とかw。
*2 どこかで聞いた言葉だと思ってたら、ニコニコの某動画でした。こいしちゃんうふふな題名とは裏腹に、タグがにR-18Gがつくヤバさ。ちくしょう、グロいけど本気で面白え!
*3 分かりやすい例として、お疲れババア!、わたしやっぱりドMだったみたい!、鈴仙様のあそこの銃、だろうか。ちなみに中身は壊れギャグではなく、ほのぼのいい話が大半です。タイトルの印象と中身が大分違うくせに、だいたいあってるという理不尽さw
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