色々凄かった。

流離う翼たち
GRIMOIRE http://www.tees.ne.jp/~li8bq7_u/
自作SS
「SEEDを持つ者、だったね。でも、それがどういう意味なのか僕には分からない。君達には分かっているようだし、意味がある事なんだろうけど、僕には関係が無い」――キラ・ヤマト


 色々と突っ込みどころ満載の*1 種を再構成したSS。後半種死のキャラも出るよ。
 フレイがニュータイプとして覚醒したり、*2 オリキャラがAAに乗っていたりするものの、ちゃんとSEEDっぽさは失われていないので安心。序盤のキラとフレイの擦れ違いは見ててハラハラした。
 だが、キラがヘタレではあるものの、ちゃんとした男になっていくのは良かった。やっぱ会話って大事です。本編だとあいつら自己完結してばっかなんだもの。
 また、心ない人にはSEED? 何それガンダム? とまで言われるほどアンチの沸く本編を、ちゃんとした戦争物に作り直してあり、種死のK・Y氏*3 のように一騎当千は基本不可能、戦争は数と資本力が多い方が有利、を基本としている。無双もあるにはあるが、あくまで有利なのはその一角だけで、全体で見ると負けている描写がちゃんとあった。
 あと、各国の指導者たちがマトモな人間として描いているのは大きい。
 というかだね。戦争は政治の一つであり、相手を全滅するなんて論外である、という当たり前のことをちゃんと実践しようとしているのを見ただけで安心する戦争物ってどうなのよ。
 ともあれ、無事完結した長編種SSというだけで一読の価値あり。200話を超す超大作なので、じっくり腰を据えたほうがいいだろう。
 あ、あと誤字が酷い。終盤一話に一つは必ずあるから注意。

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*1 変に理屈付けしようとしたせいで無理がある場面が多いこと多いこと。AAのラミネート装甲が宇宙だとビームを弾けるのに、空気中でビームが減衰するうえ放熱できる地球だとあっさり貫かれたりとか、もう意味分からん。
*2 種には建前上ニュータイプはいないことになっています。……どう考えてもムウとかクルーゼとかNTだよ?
*3 空気を全く読まずに暴れるのでKY氏です。
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