アビスは初めて二週目が出来なかったゲーム。同行人たちがひどいひどい。

一般人がティア・グランツになったようです
かたつむり行方不明 No Link Free(アビステキストサーチ http://ab10.sakura.ne.jp/
二次創作、テイルズオブジアビスSS。
「くたばれローレライ」――ティア・グランツ

 以下、おおまかなあらすじ。
 目が覚めたらメロンになってる→お姉さん、戦闘とか怖いから教団の兵士は無理です。日本人なめんな→髭も怖いし神託の盾脱退。ユリアシティで保母さんに→のんびり生活を満喫してたらアクゼリュスが崩落してきました。
 
 勘違いもので仲間厳しめ*1 、なのか……? 展開が初めの三話でほぼ読めなくなったいい意味で珍しいお話。即行でダアト抜けるとか誰が想像するんだマジで。
 テオドーロ爺さんにヴァンを監視してもらうため、兄さんが愛した公爵子息が秘預言(クローズドスコア)*2 に読まれたから預言を覆そうとしているの、とかシェリダンに出て1/10超合金アビスロボを作ってもらったり、彼女のもたらした影響は数知れず。ヴァン・グランツ愛の劇場がとうとうマルクトでまで公式になっている時点でもうね。色々取り返しがつかないと思うんだ。
 それに、厳しめにしてもそもそもルークご一行自体が終盤までほぼ出てこないし、出て二、三話で即フェードアウトするので彼らの影が薄いこと薄いこと。まあ、ご一行は出た瞬間に盛大にやらかしてくれるわけですが。
 だが、この作品の見どころは人生楽しそうなお姉さんが入っているティアの可愛らしさにある。
 想像してみるといい。あの冷たい視線がデフォルトのティアが屈託なく笑い、動き、感情を露わにしている姿を。子どもたちと戯れ、幸せそうにほほ笑む姿を。子どもたちとマジで鬼ごっこで対決し、ガキ大将的ポジションになる彼女を。そして揺れているであろうメロン。うむ、なんだその可愛い生き物。
 噂話や届くか確証のない手紙など、成功したら恩の字だよねえ的な身の丈に合った介入や、お姉さんが入る前のティアの精神の行方、メシュティアリカの名前をフルに使った宣言など、良く練られた伏線や話の盛り上がりもあるけど、やっぱりこっちの方が大事だと私は思うんだ、うん。
 あとヒロインはギンジなのでよろしく。彼はヘタレだが異論はないと思う。

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*1 アビスを知らない人のための、公爵にして第三王位継承者ルークのご一行たち(断じて仲間ではない)に対する説明。
   嫌みは言う、馬鹿にする、協力しないなら牢屋に入れると脅迫する、あげく導師(宗教組織のトップ)を誘拐した(本人に自覚なし)、ルークの国に和平に向かう軍人とか、ルークがレプリカ(クローンみたいなもん)だと分かるや否やこの偽物め、と罵り、自分も偽物の姫だと分かると大事なのは血ではなく絆ですわ、と訴えるお姫様などなど。自分の国を襲撃し多数の死者を出し、原作の扱いを見る限り帰ろうと思えば帰ることも出来たのに俺の居場所を奪った偽物め、と怨むオリジナルのルークなんてのもいます。ティアは原作だと酷すぎるのでここでは書きたくないっす。あと無礼、タメ口はほぼ全員デフォ。
 で、こいつらに対するわりと真っ当なツッコミを入れるのが仲間厳しめというジャンル。必要以上に改悪される場合もあるが、この話ではああ、こいつらならやりかねん、と思えてしまう。オリジナルルークだけはヴァンの洗脳にも似た刷り込みがあるので、ある意味被害者かもしれんが。
  *2 預言とはそのまんま、未来が分かる預言のこと。秘預言とは一部の人しか知らない預言のこと。アビス世界では便利すぎる預言が絶対視されていて、預言に読まれていたから、と言えばたいていのことは通ります。
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