メインよりもサブキャラが好き。

クロスゲージ　(『エンゲージを君と』異聞)
Arcadia http://mai-net.ath.cx/
FateSS。
「私達はどこかへ行きたくて集まるのではなくて、集まりたくてどこかに行くのだろう？」――氷室鐘
　
　いわゆる三次創作。
『エンゲージを君と』とは別作者が書いていた士鐘ＳＳである。魔術やら英霊やらの心くすぐるワードが満載のFateが題材であったのに、内容は一切魔術も戦闘も絡んでこないガチの恋愛物だった。しかも相手は氷室鐘。穂群原三人娘の一人として名高い――ぶっちゃけ本編では初めの日常シーンにしか出てこないサブキャラである*1。
　が、非常に丁寧に登場人物の内面を描いており、特に歪んだ内面を持つ士郎を真っ向から受け止め、理解しようとする鐘の可愛らしさは異常。多くの感想を得ていた良ＳＳだった。だが、２０１０年７月３０日現在、残念ながらエターなって*2
しまっている。感想欄で作者様が更新したい気持ちはある、といっていたものの、正直更新は絶望的であるといわざるを得ないだろう。
　そして、待ってるだけはもう飽きた、続きが無いなら書けばいいじゃない、と言わんばかりに『エンゲージ』の作者様に許可を取り、独自の続きを書いているのがこの『クロスゲージ』である。
　方向性はそのままに、心理描写に多くの力を入れ、士郎と鐘の初々しさと甘酸っぱさが滲み出る文章は『エンゲージ』の劣化版ではなく、また違う可能性を見せてくれている。
　個人的に士郎の一番の相方はカレンだと思っているのだが、魔術に関わらない日常を送る、という意味では鐘もまた最良の相手なのだろう。もうこのままずっといちゃいちゃしてればいいと思うよ。
　……どうでもいいけどFateで最強は三枝由紀香さんだと思う。ほんわかほんわか。だけど芯は強くてぴしっ。

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*1　リアルの事情で作れなくなった、展開が思いつかなくなった、単純に飽きたなど、いくつか理由はあるが、作者が更新をしなくなってしまったこと。もともと復帰する可能性は低いが、前者二つはともかく、最後のは実質二度と更新されないと思ったほうがいい。
*2　ファンディスク『hollow』において、氷室ルートを示唆するような描写があった。この作品はそこから分岐した平行世界とでも思ってほしいとか。
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