幻想殺しってやっぱり強い。
にじファン http://nizisosaku.com/
とある魔術の禁書目録SS.
主人公の性格ひとつでこうも変わるのか。
我らが旗男こと上条さんの性格改変(以下詐欺条さん)再構成もの。クール、というより冷静沈着に、目の前の問題を理詰めで考え解決し、論破していく。騙し、欺き、けれど相手を助けるための嘘だから詐欺条さん。優しい詐欺師、という言葉がこうも似合う男はそういない。間違っても「手を伸ばせば届くんだ! いい加減に始めようぜ、魔術師!」なんて言いません。
詐欺条さんの性格が目立っているが、インデックスも一年の逃亡生活で半ばまで心をすり減らしていたり、美琴に女子中学生らしい不安定さがあったり、より現実に即した考え方をしている。
詐欺条さん、美琴、インデックス三人の関係がとても良好で、もはや半家族と化しているのがさらにいい。インデックスを海に連れて行くため、美琴が能力を使って偽造パスを作ったりとか、もうね。
また、作中で魔力がないとはいえ『首輪』が壊れたインデックスを放置していいのか、とか、わざわざレベル5の遺伝子を使って『妹達』作ったのにどうして実験で彼女たちは銃器を使っているのか、などのいろいろな疑問に対する独自解釈もある。詐欺条さんの考察はあくまで科学サイドからの情報から推理したもので、実際の理由とは違うものもあるのだが、どれも納得のいく説明なので、ああそういう考え方もあるのか、と思うことしきりだった。
主人公の性格からか、若干淡白に話が進められていくイメージがあるが、十分に許容範囲内。最初の対応が変わればその後の行動も変わる、正しい意味での再構成だろう。
ちなみに現在の詐欺条勢力――いわずと知れた詐欺条さん、もちろん記憶はなくしてない。精神的にタフになったエレクトロマスターの美琴。教会からかけられた呪いをすべて解いた、魔力が使えるインデックス。暗部に落ちてない完全状態の一方通行。……まあ、きちっと立ち回ればこのくらいは出来ますね、うん。
6月2日追記修正。理想郷で見ようとしてびっくりしたんだぜ!
対エキセントリック防御用―――意!!
【武ちゃん三周目】Muv−Luv Interfering【プラスオリ主混在中】
Arcadia http://www.mai-net.net/
マブラヴSS.
戦争物で名無しの兵士が格好いいのはちょっと卑怯だ。
いわゆるオリキャラありのタケルちゃん三週目の話。
基本的に、マブラヴSSでオリキャラが出張ってくる話はあまり好かれていない。あれはタケルちゃんが必死こいて泣き喚きながら、足掻いて足掻いてやっとの思いでベターなエンドを掴み取る話なのであって、ぽっとでのSAIKYOな主人公が表に出て蹂躙してもつまらないからだ*1。
この話も類に及ばず、因果導体である*2 三神庄司なる人物が出張ってくるのだが……。
感情で動くのがタケルちゃんなら、理詰めで考えるのが三神だろうか。かませ犬になるでもなく、原作主人公を押しのけるのでもなく、並び立って先を目指しているのが非常に○。
過去の職業は交渉人。相手の心理を突いた交渉が得意で、どこか小馬鹿にしたような口調が特徴的なのだが――うん。こいつ佐山御言*3 だ。とか思ってたら前書きにカワカミン1000mg配合とか書いてあった。
話が進むにつれ川上節が徐々に出始め、熱さは佐渡ヶ島戦で最高潮に達した。戦場の花形は戦術機ではない、面制圧のできる戦車部隊なのだ。撃墜数では負けはしない……! 畜生、戦車が活躍するマブラヴSSなんて初めて見たぜ。
僅か一話限りのモブキャラから主人公まで、例外なく全員燃える良作。
『あいとゆうきのおとぎばなし』と『ゆめときぼうのおとぎばなし』をどうか楽しんでほしい。
00ユニット化夕呼先生マジチート。あの頭脳の上、平行世界にアクセス可能、思考を呼んで政治無双ってどうすりゃいいのよ。
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*1 話の表側にあまり出てこないなど例外はもちろんあるが。管理人は武田君が未だに忘れられません。
*2 開放条件は武の条件とはまた違う。複線なのだが、ろくなものじゃないんだろう、きっと。
*3 電撃文庫『終わりのクロニクル』の主人公。かつて滅ぼした10の異世界の生き残りたちを、エキセントリック屁理屈で丸め込む話。管理人のバイブル。
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鬼道雪とか鬼小島とか。
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オリジナルSS.
本能寺の変の数年前から、明智謀反の直後までを下敷にした伝奇物。「鬼」と呼ばれる地獄を現世にぶちまける異能を持つ者がいる戦国時代の話。
たとえば「鬼柴田」こと柴田勝家は大焦熱地獄こと火炎を操るし、「鬼武蔵」こと森長可もまた「鬼」である。戦国の異名の「鬼なにがし」を設定に絡めたのは、胸が熱くなるのを止められない。この調子だと「鬼島津」とかもいそうなのだが、残念ながら登場はしない。無念。
内容としては、「鬼」の力を持つ主人公が羽柴のねねに拾われ、力を自覚し、家族のために闘うひどく単純なもの。逆にいえばよけいな装飾を省いて必要なものを書けているともいえる。お約束ながらも熱い展開や、くすりとするシーンもあるので、非常に読みやすい。TS要素も薄い、というかほぼ皆無なので苦手な人も大丈夫だろう。
なにより、羽柴秀吉やねねを初めとする羽柴勢や、織田信長や上にあげた柴田勝家、そして虎之助*1など世界を取り巻く登場人物が魅力的なのがいい。歴史物だから、という理由で敬遠している方にぜひ読んでほしい作品。
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*1 後の加藤清正。今作のヒーロー。かっこいいぜ虎之助。
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パソコン復活ッ! パソコン復活ッッ!
お久しぶりです、たつみです。
この度、無事にパソコンが戻ってまいりました。大学も再開したので、ネット環境が繋がるようにもなりました。ですがそれはまたリアルが忙しくなるということでもありまして……。
ストック自体はありますので、今日からまた、週一更新を目指してやっていきたいと思います。
以下コメント返しです。
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